豊岡選手のツールド東北レポート

8月11、12、13日の3日間。国内女子唯一のステージレース。
今回は、JCFチームで参加させてもらった。
メンバー 西加南子選手、佃咲江選手、針谷千沙子選手、豊岡英子の4名。
参加チームは、JCF、鹿屋体育大学、GSキヨ・ミヤザワ、VOLCA-CCM、北海道選抜、高体連選抜の6チーム。
1ステージ(秋田大潟村)個人タイムトライアル 10km
結果
1、豊岡英子(JCF)  14:20:15
2、萩原麻由子(鹿屋)14:37:85   
3、西加南子(JCF)  14:53:65 

ステージレースで1番重要なTT。苦手分野。でも、前日のミーティングで三浦監督は私をエースと考えてくれていたので、
さらに、初めてエースを任されたので、嬉しさの反面かなりの緊張だった。
レース当日、三浦監督も一緒に試走してくれ、TTの走り方のアドバイスをしてくださった。
コース内は、かなりの落ち葉で小石など見えず1周目の試走でパンク。本番じゃなくてよかった。
3周試走した。ライバルになると思われるTT得意の萩原選手は調子よさそう。足がかなり回っている。
行きは追い風、帰りは向かい風。風はかなり強い。
三浦監督の指示は行きにタイムを稼ぐ事。帰りは耐える事。
スタートしてメーターを見たら50キロを越えていた。若干落ち着き46,47キロ位で走れた。
帰りは風がすごくてメゲそうになったけど、ここで負けたら今までと何も変わってないと思い直し、とにかく踏んだ。
2人抜いた。コースの途中で三浦監督が「ここからだぞ」と声が聞こえた。
38,39キロをキープしながら後2キロの看板を確認した。無我夢中で踏んでたら、ゴール付近にパイロンが並べられているのだが、それに激突してしまった。
DHバーを持っていたので、本当に落車しそうだった。それで、タイムをかなりロスした。ゴールしてアナウンスで私のタイムが今1位と言っていた。
萩原選手のタイムが気になった。萩原選手がゴールしたけど、アナウンスがなかったので、チームのメンバーとたぶん1位じゃないんですかーとはしゃいでいたら、
監督が、自転車で飛んできて「1位だぞ、17秒勝ってるぞ」とニコニコしながら教えてくれた。ちょっと自分でもびっくりした。しかもアベレージ41.85km/h。
パイロンにぶつかってなかったら・・

2ステージ(岩手紫波)ロードレース 52.4km(13.1km×4周)
結果
1、萩原摩由子(鹿屋)        1:39:26
2、豊岡英子(JCF)          1:39:26
3、小山美貴子(GSキヨ・ミヤザワ)  1:39:28

今日は、リーダージャージ。とりあえず萩原選手から絶対に離れてはいけない、ずっとマークしていけという指示だった。
コースは登りゴール(500m位で勾配は以外ときつい)。平坦もあるが、アップダウンもありの面白いコース。
レース展開はあまりなく、JCFチームがコントロールしていた、というより西選手がすべて指示。1周めで北海道選抜の選手が1人抜け出した。
鹿屋が必死に追って追い付いた。ゴールの登りで毎回集団がバラバラになる。私は、萩原選手から1mmも離れないようにしていた。
2周目にホットスポットがあり1位通過-3秒、2位−2秒、3位-1秒である。監督から萩原選手に取られても2位通過は絶対と言われていた。
スプリント力のある萩原選手に余裕で取られてしまったが、2位通過は守った。
その後も登りで集団はバラバラになるが、萩原選手は逃げる気配がない。そのまま集団ゴールへ。
ゴール200m位で西選手が仕掛け、西選手と萩原選手の距離は少し空いた。私は萩原選手の後ろにべた付き。
作戦では、西選手のアタックに私が付いていくという物だったが見逃してしまった。
あわや、西選手ステージ優勝かと思われたが、最後萩原選手がまくり優勝。私は萩原選手をまくれず2位。タイムギャップがなかったのは良かったが、1位-10秒、2位-6秒なので
計算すると5秒つめられ、12秒差。簡単に挽回できるタイムである。とりあえずリーダーは守ったけど。

3ステージ(宮城仙台)ロードレース 60km(15km×4周)
結果
1、豊岡英子(JCF)        1:45:39
2、萩原麻由子(鹿屋)        1:45:55
3、小山美貴子(GSキヨ・ミヤザワ) 1:48:06

リーダージャージは絶対に守らないといけない。本当にいてもたってもいられなかった。前日の夜はご飯もあまり食べれず、西選手はかなり心配してくれていた。
三浦監督がアドバイスくれた事を紙に書き出し、何回も読んだ。三船さんにも自分を信じろ、大丈夫、攻めていけとメールを頂いた。緊張しすぎで窒息するかと思った。
レース当日、三浦監督も一緒に試走して頂き、仕掛けるならここだと教えてもらっていた。
コースは、平坦基調だが、最後に1kmのきつい登りがある。絶対に萩原選手は逃がさへんでと思った。
今日は、攻めていけと指示されていた。自分を信じるしかないと。絶対いけるぞ。リーダーの走りをしろ。と。
レースが始まり、うちのチームの最強トラックスプリンター佃咲江(通称ダバ)がスタート直後アタックにいった。しかし、左カーブを曲がった途端なぜかUターンして戻ってきた。
コースを間違えたと思ったらしい。皆大笑いで、かなりリラックスできた。
1周目の登りで集団は小さくなると思っていたが、気づくと4人だった。登った感じで、なぜか勝ったと思った。残ったのは、私、萩原選手、西選手、小山選手。平地は4人で回し、登りにきた。
2周目はホットスポットがある。絶対とるつもりで、登りの頂上手前で仕掛けた。萩原選手は少し遅れていた。でも、下って勢いで登る坂で後ろにいた。ここは焦ってはいけないと思い、
後ろに回った。ポイント地点まで後300m。前日のミーティングで監督にギアが掛けれるなら、先行していけと言われていたので、スプリントは不得意だったけど、絶対にボーナスポイントを
譲りたくなかったので、重いギアで猛烈にもがいた。絶対後ろに萩原選手がいると思ったけど、かなり離れていた。ヤッタ〜これでもっと余裕ができた。
その後も2人で回し、何回か仕掛けたけど決まらず。でも焦りは無かった。三浦監督は登りの途中でずっと「リーダー守れよ、2人で勝負やぞ」と応援してくれていた。心強かった。
萩原選手は全く仕掛けない。
最終周回に入り、最後の登り半分の所で不安もなく全力でもがいた。足が飛んでいくかと思った。監督は「行け〜離れてるぞ、後ろふりむくな」と歩道を頂上付近まで自転車で叫びながら付いてきていた。
本当に心配だったのだと思う。その後もチームメンバーがくる度に上がって下っていたらしい。
絶対勝ちたかった。勝たなくてはいけなかった。
応援してくれていた沢山の方々の声が聞こえた。後ろはかなり離れているのに無我夢中でもがいた。
第3ステージも優勝でき、総合も優勝でき、チーム総合も優勝できた。涙がでた。チームみんなで握手しまくった。
たかが東北で大袈裟なと言う人もいると思うけど、私は優勝する事ができて本当に嬉しかった。
素晴らしいチームで闘え、素晴らしいチームメンバーにめぐり合えた。私の為に西選手、佃選手、針谷選手は懸命に働いてくれた。本当に有難うございました。
三浦監督には、毎日たくさんアドバイスや、驚きの話しを聞かせくださった。この大会を通じてたくさんの事を学べた。応援してくださった方々、サポートしてくださった方々、本当に有難うございました。
調子にのらず、これからもいっぱい練習します☆ありがとうございました。